さいたま市浦和の会計事務所、中小企業の経営パートナー「税理士法人新日本経営」です。
政府は、2027年4月1日から2年間、飲食料品(軽減税率対象)の消費税率を現行の8%から1%へ引き下げる基本方針を閣議決定しました。
「減税=事業者にもプラス」と思われるかもしれませんが、消費税の計算の仕組みや業種によって、納付額や実務への影響は全く異なります。今回は、事業者が知っておくべき影響と今後のポイントを解説します。

売る側と買う側で異なる「税率の逆転現象」
今回の見直しの最大の特徴は、売上として預かる税率(1%)と経費等で支払う税率(10%)の「逆転」です。
•食品販売業・農林漁業者など(売上の消費税が1%になる側)
預かった消費税(1%)から、店舗の光熱費や資材にかかる消費税(10%)を控除するため、本則課税であれば「仕入税額控除」が上回り、納税額がゼロ(還付)になるケースがでてきます。
•店内飲食メインの飲食店(売上の消費税が10%のままの側)
店内飲食の売上(10%)に対し、食材仕入れ(1%)の支払税額が減るため、本則課税では計算上、納付税額が増加する傾向にあります。
納税方法の見直しを
簡易課税制度を利用している場合、実際の支払税額ではなく「みなし仕入率」で計算するため、さらなる注意が必要です。
今回の減税にあたって、届出や消費税の計算における特例措置が税制改正大綱案に盛り込まれています。
選択届出等の特例:
本則課税への移行や還付申告を可能とするため、課税事業者選択届出や簡易課税選択不適用届出の提出時期に関する特例および「2年縛り」の適用除外を設けます。
簡易課税の特例:
特例対象の飲食料品譲渡に係る仕入控除税額を売上税額と同額とみなす特例等を講じます。(インボイス制度に伴う2割・3割特例も同様)。
中間申告の特例:
特例税率適用による納付税額の減少を考慮した計算方法を認めます。
総額表示義務の特例:
原則は税込価格(総額表示)ですが、値札貼替え等の困難な事情がある場合に限り、一定期間に限り旧税率や別税率に基づく価格の表示(特例表示)を認めます。
まとめ
法案成立は今秋の国会が予定されており、詳細な特例のルール等は順次具体化されていくと思われます。
単に税率が変わるだけでなく、自社の課税方式(本則・簡易)の見直しや、レジ・POSシステムの改修、総額表示の対応など事前の準備が不可欠です。まずは自社の取引構造でのシミュレーションをおすすめします。
資金繰り等の影響も考えて、余裕をもって計画を立てておきましょう。
※本記事は、掲載日時点の情報に基づいて作成しています。今後の法令改正や制度の運用変更等により、内容が変更となる場合があります。情報収集等をして記事は作成しておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。また、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。
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