さいたま市浦和の会計事務所、中小企業の経営パートナー「税理士法人新日本経営」です。
2026年4月から自転車の交通違反についても「青切符」による交通反則通告制度が導入されました。
これまでは、自転車の交通違反というと、注意や指導で終わるケースをイメージしていた方も多いかもしれません。しかし、今後は一定の違反について反則金の納付が求められることになります。
特に会社で自転車を利用する機会がある場合には「従業員が仕事中に違反をして反則金を支払った場合、会社が負担してもよいのか」「会社で負担した場合、経費にできるのか」といった税務上の問題も出てきます。
今回は、自転車の青切符による「交通反則金」を会社が負担した場合の税務上の取扱いについて確認します。

自転車にも「青切符」が導入されています
2026年4月1日から自転車による一定の交通違反について、交通反則通告制度、いわゆる「青切符」の対象となりました。
自転車は道路交通法上の「軽車両」に該当するため、これまでも交通ルールを守る必要がありましたが、青切符の導入によって一定の違反行為についても反則金を納付することで、刑事手続に移行せずに処理する制度が設けられています。
対象となる違反には、スマートフォンを使用しながら自転車を運転する「ながら運転」や信号無視、指定場所一時不停止、通行区分違反などがあります。
反則金の額は違反内容によって異なり、例えば自転車の運転中に携帯電話を使用する「携帯電話使用等」では反則金は12,000円に設定されています。
自転車を通勤や営業活動などに利用している会社にとっては、従業員個人の交通違反であっても、会社の業務と無関係とは限りません。
そこで気になるのが、会社が反則金を負担した場合の税務上の取扱いです。
会社が負担した「交通反則金」は損金になる?
法人税では、会社が支払った費用であればなんでも損金になるわけではありません。
交通違反に反則金については国税庁の法人税基本通達9-5-12に明確な取扱いが定められています。
この通達では、法人が役員や使用人に対して課された「罰金もしくは科料、過料又は交通反則金」を負担した場合について、業務との関係によって取り扱いを分けています。
まず、その交通反則金が「法人の業務の遂行に関連してされた行為等」に対して課されたものである場合、会社が負担したとしても、その金額は法人の損金に算入されません。
例えば、従業員が会社の業務で自転車を利用している際に交通違反をし、その反則金を会社が負担したケースです。
この場合、仕事のために自転車を利用していたとしても、交通反則金そのものを会社の経費として損金にすることはできません。
一方で、業務とは関係のない交通違反について会社が反則金を負担した場合には、取り扱いが異なります。この場合は、その役員や使用人に対する「給与」として扱われることになります。
つまり、「会社が支払ったから会社の経費」と単純に考えることはできません。
業務中の交通違反なのか、私用中の交通違反なのかによって、税務上の取扱いが変わる点が重要です。
「仕事中の違反」と「私用中の違反」で取扱いが変わる
例えば、営業担当者が会社の業務で自転車に乗っている途中、スマートフォンを操作する「ながらスマホ」で青切符の対象となり、12,000円の反則金を納付したとします。
この反則金を会社が負担したとしても、法人税上は損金に算入することはできません。
一方、休日に従業員が私用で自転車に乗っている際に交通違反をし、その反則金を会社が負担したとします。
この場合、業務の遂行に関連するものではないため会社が負担した金額は、その従業員に対する給与として取り扱われます。
この違いは自転車に限った話ではありません。自動車等の交通反則金についても同様の考え方が適用されます。
会社としては「従業員が仕事中に起こしたことだから会社で負担しよう」と考えることもあるでしょう。
しかし、税務上は業務中の光津違反だからこそ、その反則金を会社の損金にすることは認められていません。
また、私用中の違反について会社が負担すれば、今度は従業員に対する給与として扱う必要があります。給与として扱う場合には、源泉所得税などへの影響も考える必要があります。
自転車を利用する会社は社内ルールの確認を
自転車を営業活動や配達、訪問業務などに利用している会社では、今後、従業員の交通違反についても一定のルールを設けておくことが大切です。
特に、「業務中の交通違反について会社がどこまで負担するのか」「私用中の違反について会社が負担することがあるのか」といった点をあらかじめ整理しておけば、実際に反則金が発生した際にも対応しやすくなります。
また、自転車を業務で利用するのであれば、反則金の負担だけでなく、交通ルールや安全運転について従業員に周知することも重要です。
青切符制度の導入をきっかけに、自転車を「身近な移動手段」としてだけではなく、会社の業務に利用する車両の一つとして考え直してみてもよいでしょう。
まとめ
自転車の青切符制度が始まったことで、これまで以上に自転車の交通ルールを意識する必要が出てきました。
会社が従業員の交通反則金を負担した場合については、法人税基本通達9-5-12に「交通反則金」が明記されており、業務の遂行に関連する行為に対するものであれば、会社の損金には算入できません。
一方、業務とは関係のない交通反則金を会社が負担した場合には、役員や使用人に対する給与として取り扱われます。
「会社が支払った反則金だから経費になる」と考えるのではなく、その違反がどのような状況で発生したものなのかを確認したうえで、適切に処理することが大切です。
自転車を業務で利用している会社では、青切符制度への対応とあわせて、社内の交通安全ルールや反則金の負担についても一度確認しておくとよいでしょう。
参考:第6款 罰科金|国税庁
※本記事は、掲載日時点の法令・通達等に基づいて作成しています。今後の法令改正や制度の運用変更等により、内容が変更となる場合があります。情報収集等をして記事は作成しておりますが、万が一記事内容に誤りがあり読者に損害が生じた場合でも当法人は一切責任を負いません。また、記事内容に関するご質問にはお答えできませんので予めご了承下さい。
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