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役員報酬の決め方で会社の税負担は変わります

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さいたま市浦和の会計事務所、中小企業の経営パートナー「税理士法人新日本経営」です。

 

経営者の皆さまの中には、「毎年の役員報酬はなんとなく前年と同じにしている」「法人税が重く感じるが、どのように調整すればよいのかわからない」といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

役員報酬は、法人税や所得税に直結するだけでなく、会社の資金繰りや今後の経営戦略にまで影響を及ぼす重要なテーマです。

しかし、その仕組みを理解せずに設定してしまうと、余計な税負担が生じたり、将来の資金計画に支障をきたす恐れがあります。

今回は、役員報酬の基本ルールから節税効果など解説します。

役員報酬の基本ルール

役員報酬を考える際にまず押さえておきたいのは、法人税法上のルールです。

代表的なのが「定期同額給与」の原則で、毎月一定額を継続して支給しなければ費用として認められません。

つまり、毎月の金額をバラバラにしてしまうと、法人税の計算上、経費にできなくなってしまうのです。

さらに、役員報酬の金額は事業年度開始から3か月以内に決定する必要があり、その後は原則として年度の途中で変更はできません。

例外は、臨時改定事由(例えば役員の職務内容の大幅な変更など)がある場合などに限られます。

こうしたルールを理解していないと、思わぬ税務リスクを抱えることになりかねません。

参考:No.5211 役員に対する給与|国税庁

 

役員報酬と法人税・所得税の関係

役員報酬は法人と個人の双方の税負担に影響します。

会社が役員に多く報酬を支払えば、その分だけ法人の利益が減少し、法人税の負担は軽くなります。一方で、受け取った役員個人には所得税・住民税が課税されるため、個人の税負担は増加します。

逆に役員報酬を抑えれば、法人の利益は大きく残り法人税の負担が増えますが、役員個人の税負担は軽くなります。

つまり、役員報酬の設定は「法人税と所得税のバランス調整」に他なりません。このバランスを意識せずに設定すると、法人・個人のどちらかに過度な負担がかかり、トータルの税負担が高くなるケースが少なくありません。

 

役員報酬の見直しが節税につながる具体例

役員報酬の見直しは、適切に行えば節税につながります。

例えば、利益が大きく出そうな年度には役員報酬を増額し、法人税負担を軽減するという方法があります。ただし、この場合は役員個人の所得税が増えるため、累進課税の影響も見極める必要があります。

逆に、会社の利益が少ない年には役員報酬を抑え、法人に利益を残すことで赤字回避や翌期の資金繰り安定につなげるといった工夫も可能です。

さらに、役員退職金制度や法人保険との組み合わせによって、長期的にみた節税や資産形成を実現することもできます。

ただし、むやみに役員報酬を変更することはできませんので、必ず顧問税理士など専門家に相談してから見直しをおこないましょう。

 

役員報酬を活用した節税のメリットとデメリット

役員報酬の見直しによる節税には、明確なメリットと注意すべきデメリットがあります。

最大のメリットは、法人と個人の税率差を活かして、グループ全体の税負担を適正化できる点です。

利益を役員報酬として分配すれば、法人税負担を軽減しつつ、役員個人の所得として受け取ることで、将来的な資産形成にもつなげられます。

また、報酬を見直すことで、会社の業績や資金繰りに応じた柔軟な税務戦略を取ることも可能です。

 

一方で、報酬を増やしすぎると個人の所得税・住民税が高くなり、結果的に節税効果が薄れることもあります。

また、過度な利益調整を目的とした報酬設定は、税務調査で否認されるリスクを伴います。

さらに、役員報酬を増額することは会社のキャッシュアウトにも直結するため、資金繰りに余裕があるかどうかを慎重に見極める必要があります。

節税を目的とする場合でも、短期的な数字合わせではなく、経営計画全体の中でバランスを取ることが重要です。

 

まとめ

役員報酬は単なる給与の金額設定ではなく、「税務戦略」と「経営戦略」の両面を兼ね備えた重要な意思決定です。

法人税と所得税のバランスを意識しながら、会社の成長や資金繰り、さらには経営者自身の将来設計まで含めて最適化していく必要があります。

そのためには、定期的に見直しを行い、状況に応じて適正な調整をすることが欠かせません。

顧問税理士と相談しながら、会社と経営者双方にとって最適な役員報酬設計を行うことが、長期的な経営の健全化と安定につながるのです。

 

 

 

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