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令和7年度改正|退職金の手続きが変わる?源泉徴収票の提出範囲拡大

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さいたま市浦和の会計事務所、中小企業の経営パートナー「税理士法人新日本経営」です。

退職金を支払ったとき、会社が行う書類提出の手続きが、実は令和8年から大きく変わることをご存じでしょうか?

これまでは、退職金を支給した相手が「役員(社長や取締役など)」である場合に限り、税務署や市区町村への書類提出が必要でした。一方、一般の従業員に退職金を支給する場合は、本人に書類を渡すだけで足りていたのです。

ところが、令和7年度の税制改正によって、このルールが見直され、令和8年1月1日以降に退職金を支払うすべての居住者(日本に住所がある方)について、役員か従業員かを問わず、税務署と市区町村への提出が必要となります。

何がどう変わるのか?

会社などが従業員や役員に退職金を支払う場合、「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」という書類を作成します。

これは、国税と地方税の両方に関わる情報が記載された書類で、以下の3種類に分かれています。

<1>本人交付用
<2>税務署提出用
<3>市町村提出用

改正前は、「役員」に対して退職金を支給する場合のみ、上記3通をすべて用意する必要がありました。従業員の場合は、<1>の本人交付用のみ作成すればよかったのです。

しかし、令和8年1月以降に支払う退職金からは、退職者が従業員であっても、3通すべてを作成・提出しなければなりません。

適用のタイミングに注意

この改正は「退職日」ではなく、「退職金の支払日」が基準になります。たとえば、令和7年12月末で退職した方に対して、退職金を令和8年1月に支給した場合、その方が従業員であっても、税務署と市町村への提出が必要となります。

提出期限は現行と同じで、退職後1か月以内に

<1>本人への交付
<2>税務署への提出(所轄税務署長)
<3>市区町村への提出(退職金を支払う年の1月1日時点での住所地)
を行う必要があります。

 

実務への影響と備え

この改正によって、退職金に関する事務手続きがこれまで以上に煩雑になる可能性があります。

とくに、これまで従業員の分は書類提出が不要とされていたため、実務で書類の作成体制を整えていない企業も少なくありません。

退職金の支払いスケジュールや退職手続きの流れを改めて見直し、従業員の分も含めた提出体制を早めに整えておくことが大切です。

 

まとめ

退職金の支払いに関するルールは、会社の規模を問わずすべての企業に関係してくるものです。今回の改正により、今後は「全ての居住者に対する退職金の支給」に対し、3通の書類を作成・提出することが義務付けられます。

「役員か、従業員か」で扱いが異なっていたこれまでの制度から、「全員一律で提出が必要」という新しい運用に変わるという点をしっかりと押さえておきましょう。

今後、退職金の支払いが予定されている従業員がいる場合には、支払日が令和8年以降になるかどうかをよく確認し、必要な準備を進めることをおすすめします。

 

 

 

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