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新たに始まった「M&A特集」第2回目です。
第1回は<こちら>
さて2024年、日本のM&A(合併・買収)市場は件数・金額ともに過去最高を記録しました。かつてはごく一部の大企業だけが活用する特別な戦略だったM&Aは、今や業種や企業規模を問わず、多くの企業にとって現実的かつ有効な選択肢となっています。
今回は、この1年で明らかになったM&A市場の動向や背景に加え、注目を集めている「コングロマリット型M&A」や「PMI(統合プロセス)」についてもご紹介します。
M&A件数は前年比17.1%増、過去最多を更新
2024年のM&A件数は前年比17.1%増の4,700件となり、過去最多を記録しました。
中でも、日本企業同士による「IN-IN型M&A」が約79%(3,702件)を占めており、地方企業や中小企業の積極的な動きが際立っています。
業界の垣根を越えた提携や、地域内での連携といった「地に足のついたM&A」が広がりを見せており、実需に即した動きが加速しています。
活発化の背景:事業承継と先端技術の融合
このM&A活発化の背景には、次のような要因が挙げられます。
<事業承継問題>
高齢化の進行により、後継者不在の中小企業が増加。以前なら廃業を選ぶしかなかった企業が、M&Aを「次世代へ企業をつなぐ手段」として活用するケースが増えています。
<生成AIやデジタル技術の進化>
業界の垣根を越えて、スタートアップやIT企業の買収・統合が進行。「先端技術を取り込むM&A」は、成長戦略として欠かせないものとなっています。
注目の動き:コングロマリット型M&Aの台頭
最近では、異業種間のM&A(コングロマリット型)にも注目が集まっています。
たとえば、
①製造業がIT企業を買収してデジタル対応を強化
②サービス業が物流企業を傘下に収め、供給網を内製化
こうした動きは、収益の柱を増やし、外部環境の変化にも強い企業体制を築くための布石といえるでしょう。
単一事業に依存しない、安定的な経営基盤づくりが求められる時代になっているのです。
成功のカギはPMI(統合プロセス)
ただし、M&Aは契約成立がゴールではありません。むしろ、そこからが本番とも言えます。
PMI(Post Merger Integration:統合後の経営統合プロセス)の成否が、M&A全体の成功を左右するといっても過言ではありません。具体的には以下のような対応が求められます。
①組織文化のすり合わせ
②人事制度の統一
③IT・業務システムの統合
特に中小企業同士のM&Aでは、組織規模や企業文化の違いが壁となることも少なくありません。事前にしっかりとした統合計画を立てることが、円滑なM&A成功のカギを握ります。
まとめ:M&Aを“特別な戦略”から“日常の選択肢”へ
2024年の記録的なM&A市場の盛り上がりは、単なる数字以上の意味を持ちます。これからの経営において、M&Aは成長・継続・変革を支える有力な手段です。
企業の未来を守り、次の一手を考える際に、ぜひ「M&A」という選択肢を現実的なものとして検討してみてはいかがでしょうか。
2024年は、事業承継型に加えてスタートアップ買収や大型案件、異業種連携など、M&Aのバリエーションが広がった1年でした。
これからの経営において、M&Aは「売る・買う」だけではなく、「つなぐ・育てる・変える」ための手段として、ますます欠かせない存在になっていくでしょう。
とくに中小企業にとっては、「うちには関係ない」と考える時代ではなくなっています。後継者問題、成長のチャンス、人材確保、すべてにおいてM&Aが現実的な選択肢です。会社の未来を考える一歩として、ぜひM&Aについて知ることから始めてみてください。
第3回目は、「M&Aって実際どんな種類があるの?」という疑問にお答えしながら、M&Aのかたちや進め方を、わかりやすくお届けしていきます。
◆第1回:~M&A特集 第1回~価格交渉のリアルと合意への道筋
◆第2回:~M&A特集 第2回~2024年のM&A市場は過去最高に|これからの経営に「M&A」という選択肢を
◆第3回:coming soon
◆第4回:coming soon
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