さいたま市浦和の会計事務所、中小企業の経営パートナー「税理士法人新日本経営」です。
アパートやマンション等、不動産の貸付けによる所得は「不動産所得」です。
不動産所得は、<事業的規模>であるか、ないかによって、所得金額の計算上の取扱いが異なります。いわゆる「5棟10室基準」と言われている判定方法です。
事業的規模と判定されるかによって、所得税申告時の青色申告の取扱いが異なりますので確認しましょう。
判断基準 5棟10室基準とは
アパートやマンションの賃貸で不動産業を営んでいる個人が確定申告をする際、不動産所得が事業的規模かどうかを判断します。
事業的規模かどうかを判断する目安として「5棟10室基準」というものがあります。こちらに該当すれば概ね、事業的規模と判断されます。
「5当10室基準」は『所得税基本通達26-9』が根拠となっています。
所得税基本通達26-9 |
(1) 貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上であること。 (2) 独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上であること。 |
参考:国税庁「No.1373 事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けとの区分」
マンションやアパートなら10室。一戸建てであれば5棟が事業的規模と判断される基準になります。
事業的規模のときとそうでないときの税務上の取扱い
事業的規模と判定された時と、事業的規模ではない場合との青色申告時の取扱いについて比較してみました。
事業的規模である | 事業的規模ではない | |
青色申告特別控除 | 最高65万円の控除 | 最高10万円の控除 |
青色申告の事業専従者給与 | 適用あり | 適用なし |
取り壊し等の損失 | 全額必要経費となる | 当該年度の不動産所得が限度 |
回収不能賃料(貸倒損失) | 貸倒損失が必要経費となる | その収入がなかったものとして所得税の計算をやり直す |
<青色申告特別控除65万円が可能>
事業的規模と認められる場合には青色申告特別控除で65万円受けることができます。
正しい記帳等が求められますが、事業的規模と認められない場合には青色申告でも10万円の控除しか利用することができません。
<専従者給与を経費にできる>
配偶者や子供などの家族への給与は青色事業専従者給与として経費になります。事業的規模と認められる場合のみです。
<取り壊しなどによる損失は計上できる>
物件の取り壊しなどによる損失は全額経費に計上できます。その年の所得から引ききれない場合は3年間の繰り越しが可能です。
事業的規模でない場合は所得金額が限度額となります。
<回収不能の賃料は必要経費になる>
回収ができない賃料等は、回収不能となった年に必要経費として算入ができます。
事業的規模でない場合は、その年は所得がなかったものとして所得の計算をやり直します。
駐車場や土地はどうなる?
不動産はマンション等に限らず、駐車場や土地を貸している場合もあります。その場合も「5棟10室基準」で判断しますが、駐車場1台が1室とは判断しません。
具体的には駐車場5台で1室とみなされます。土地も同様に5件で1室として計算します。
つまり、駐車場を貸している場合は50台以上で事業的規模と判断します。
まとめ
不動産所得の事業的規模判定「5棟10室基準」について解説しました。
マンションやアパートなら数え方は分かりますが、駐車場や土地の場合もこの基準が該当しますが判断方法は「5台で1室」です。
また、事業的規模であることによって、専従者給与の必要経費の算入や、青色申告控除など税制上の特典を受けることができます。
不動産運営を考えている方は今後の所得税申告時に気をつけましょう。
自身で判断がしづらい、確定申告を自分でやるのは不安がある、専門家へ任せたいといった方はは税理士へ相談しましょう。
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