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計画的な賃上げは節税につながる「賃上げ促進税制」

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さいたま市浦和の会計事務所、中小企業の経営パートナー「税理士法人新日本経営」です。

先日顧問先の社長との月次報告の中で「今年も従業員に研修を受けてもらったり、教育訓練を行ったので、税額控除の適用ができますかね」といったお話がありました。実は賃上げ促進税制の制度の延長と強化があったことをお伝えしたところ、とても喜んでいらっしゃいました。

計画的に賃上げや従業員教育を行うことで税額控除を受けることができます。

今回は中小企業向けに焦点を当てた「賃上げ促進税制」について解説します。

制度が適用される対象期間に注意

令和6年度税制改正で強化された賃上げ促進税制は「令和6年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する各事業年度(個人事業主は、令和7年から令和9年までの各年が対象)」となります。

例えば12月決算法人であれば、令和6年12月期の決算時には事業は令和6年1月から事業年度が始まっているため、令和6年度税制改正前の「令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する各事業年度が対象」の賃上げ促進税制を適用することとなります。

繰越控除など、改正後に盛り込まれたものはこの決算時には適用できないため、自社の会計期間に十分注意しましょう。

 

賃上げ促進税制とは?

賃上げ促進税制は企業が従業員への給与を一定以上増加させた場合に受けられる税制優遇制度です。

算出された法人税額等から最大20%が控除可能な制度になります。税額控除となるため、節税効果を期待できます。

必須となる基本要件と上乗せ要件があり、例えば、上乗せ要件に当たる教育訓練費が増加するだけでは本制度の適用はできません。

今回は中小企業向けに絞って解説していますが大企業向け、中堅企業向けは別途定められています。自社がどの事業規模にあたるか、事前に確認をしましょう。

 

令和6年度税制改正の賃上げ促進税制変更点

参考:中小企業庁「賃上げに取り組む経営者の皆様へ」

必須要件にあたる「全雇用者の給与等支給額が前年度と比べて1.5%以上増加の場合、増加額の15%を税額控除」というのは改定前と変更はありませんでした。

変更があったのは教育訓練費や子育て支援などについての上乗せ要件と、新設された繰越税額控除の部分となります。

教育訓練費について、改定前は増加割合が10%以上でしたが改定後は5%以上となったため要件が緩和されることとなりました。

 

新設された繰越控除とは?

令和6年度改正で新設された点も確認しましょう。

改定前の制度では赤字の事業年度、つまり支払う法人税がない場合には、引く税金がないということで制度の適用ができませんでした。

しかし、今回の改正で控除することが出来なかった部分の金額についても5年間の繰越が出来るようになりました。

そのため次年度など利益が出た際、順次繰り越して税額控除が受けられます。赤字決算の場合でも給与支給額が前年比で増加しているかどうか、決算作業時に忘れずに確認をするようにしましょう。

 

新要件 子育て両立支援・女性活躍推進の「くるみん認定・えるぼし認定」とは?

新たに加わったくるみん認定・えるぼし認定などはどのようなものでしょう。多くの方が聞きなれない言葉かと思います。

これらは子育てと仕事の両立支援、女性活躍の推進の取り組みを企業として積極的に行っている場合に厚生労働書が認定する制度です。

今回の改定で初めて賃上げ促進税制に盛り込まれました。

求職者もこれらの認定を受けている企業であるか、ひとつの指標としているようです。

認定については厚生労働省のページを参照してください。

 

参照:厚生労働省

「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて」

「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)」

 

まとめ

賃上げ促進税制について中小企業向けに関しては、改定前の賃上げ要件と控除率を維持しつつ、赤字企業についても制度の活用が出来るよう繰越控除制度が新たに設けられました。

また、教育訓練費の増加に応じて控除率を上乗せする措置を講じるとともに、子育てと仕事の両立支援や女性活躍の推進を後押しする観点から控除率の更なる上乗せ措置が講じられます。

 

制度を利用して計画的に賃上げを行えば従業員も嬉しい上に、企業としては法人税額等が最大20%控除されます。

自社であればどれくらい給与支給額が増加すれば制度の適用ができるのか、ぜひ顧問税理士にご相談ください。

 

あわせてご参照ください>>>コラム「賃上げ促進税制|教育訓練費とは?税額控除率とは?」

 

 

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