さいたま市浦和の会計事務所、中小企業の経営パートナー「税理士法人新日本経営」です。
2024年1月1日から義務化される、電子帳簿保存法の電子取引について、真実性を確保するための要件で、速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付すという選択があります。この表現では、明確に何日以内にタイムスタンプを付与すればよいのかが明記されていません。
今回は、実際にいつまでにタイムスタンプを付与すればよいのかを解説します。
タイムスタンプとは
タイムスタンプとは「ある時刻における電子データの存在を証明するもの」です。
電子帳簿保存法においては、データの信頼性を担保し、改ざん防止の役割を担っています。
電子帳簿保存法で利用できるタイムスタンプは、総務大臣の認定を受けたタイムスタンプとなります。
タイムスタンプを利用するには、タイムスタンプを発行している時刻認証局(TSA)と直接契約するか、タイムスタンプ付与に対応したシステムを導入しなければなりません。
タイムスタンプの付与を選択した場合の要件
タイムスタンプの付与を選択した場合の要件は、
『速やかに(又はその業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに)タイムスタンプを付す』と要件が定められています。
なお、括弧書の取扱いは、取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限ります。
出展:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」問15
タイムスタンプの付与は7営業日以内?
この要件の「速やかに」とは、おおむね7営業日以内とされています。
また、7営業日以内にタイムスタンプを付与することができない特別な事由がある場合は、7営業日以内に付与することができない事由が解消した後直ちに付与すればよいとされています。
例としては、タイムスタンプの付与する社員が基本在宅勤務で、月に1日だけの事務所出勤形態である場合は、事務所出勤時に直ちにタイムスタンプを付与すれば、速やかに付与したと取り扱われることになります。
参照:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」問55
最長で2ヶ月と7営業日以内の付与が認められている
要件の括弧書にあります「その業務の処理に係る通常の期間」とは、電子で受け取った領収書に、タイムスタンプを付与することが可能となる前までの業務サイクル期間をいいます。
業務サイクル期間が2ヶ月以内であれば、業務の処理に係る通常の期間とされています。
また、「その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに」とあることから、2カ月以内(その業務の処理に係る通常の期間)+おおむね7営業日以内(速やかに)で最長2カ月と7営業日以内の付与が認められています。
注意点:事務処理規定の必要性
上記表の「その業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに」タイムスタンプの付与を行う場合、要件の※で書かれています「取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程を定めている場合に限る。」という条件が定められています。
おそらくタイムスタンプをおおむね7営業日に付与することは、多くの会社で困難であると考えられます。
そのため、多くの会社で「取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程」を定める必要があります。
電子取引の保存の義務化が始まる前に、作成を考えるのがよいでしょう。
まとめ
タイムスタンプの付与はおおむね7営業日(速やかに)に行えばよいとされています。
おおむね7営業日以内に付与することができない特別な事由がある場合は、特別な事由が解消した後直ちに付与をすれば、速やかに付与したと認められます。
また、業務の処理に係る通常の期間を経過した後、速やかに付与することも認められており、最長で2カ月とおおむね7営業日以内とされています。
ただし、こちらの要件でタイムスタンプの付与をする場合、「取引情報の授受から当該記録事項にタイムスタンプを付すまでの各事務の処理に関する規程」を定める必要があるため注意が必要です。
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