さいたま市浦和の中小企業の経営パートナー、税理士法人新日本経営です。
個人事業主の方は、ゆくゆくは法人化を考えている方もいらっしゃるでしょう。
法人化をすると信用力の向上や資金調達などメリットがたくさんある一方、会社設立のコストなどデメリットもあります。
法人化(法人成り)のメリット・デメリットをご案内しますので、個人事業主から法人へ移行を考えている方は参考にしてください。
法人成り(法人化)とは、会社設立との違い
法人成り(法人化)とは個人事業主として事業をしている人が、会社を設立してその事業を続けることを言います。形態は株式会社や合同会社などになります。
そして、『法人成り』と『会社設立』はどちらも法人になることに違いはありませんが、『法人成り』は『個人事業主が事業を引き継いで法人になる』ことを指し、『会社設立』は『新しく法人となる』と考えてください。
法人成りですと、個人事業主時代の事業や資金、預金などを受け継ぐことができます。
法人成りのメリット
では、法人成りのメリットからご案内します。
1) 所得税の節約
法人成りすると社長自身の給与を会社から支払うことができ、その給与を経費として計上することができます。
また、給与からは給与所得控除を差し引くことができる点が大きく節税の効果を発揮します。
2) 家族への給与が経費にできる
個人事業主でも青色申告の場合、青色事業専従者という制度を利用して、家族へ給与を支払うことができますが、事前に届出が必要であったり、働き方の要件が定められています。
法人成りの場合は、家族を役員にして、役員報酬を支払うことで給与所得控除額が増え、さらに節税が期待できます。
役員報酬は「定期同額給与」という扱いになりますので、詳しくはこちら>>>「役員報酬の決め方にはルールがある」
3) 退職金制度
個人事業主の場合は退職金をもらうことはできません。
その点、会社では退職金制度を設けることができますので、尽力してくれた従業員にとってもメリットと言えるでしょう。
4) 赤字を10年繰り越せる
もし、その年度の収支が赤字の場合は、翌年度以降にその赤字額を10年間(※)繰り越すことができます。
青色申告を選択している個人の場合の赤字額繰越は3年です。
(※)平成30年4月1日前に開始した事業年度において生じた欠損金の繰越期間は9年となります。
5) 社会的信用度がある
法人成りを迷っている方にお伝えするメリットの中でも社会的信用は重要と考えます。
もちろん個人事業主でも信用をおいて、従事されている方も数多くいらっしゃいますが、補助金や助成金の申請、金融機関からの融資審査などでは貸借対照表や損益計算書などの提出が求められます。
法人の場合は、経理処理が複雑なため、税理士などに依頼している方が多いのでこういった書類をすぐに提出することができ、スムーズな事業継続が望めます。
法人成りのデメリット
次に法人成りのデメリットについても確認しましょう。
1) 設立費用がかかる
会社を設立する場合は、定款の作成と認証、登録免許税の支払いをして登記をします。
株式会社の場合ですと、24万~25万円ほど費用がかかります。また、会社設立には資本金が必要になることもお忘れなく。
資本金は少なすぎても、信用度合が欠けるのこともあるので適正な資本金については税理士など専門家からアドバイスを受けましょう。
2) 均等割りがある
法人住民税は事業が赤字であっても支払うことになります。
それを均等割りと言いますが、金額は自治体によって異なります。埼玉県は最低7万円です。
3) 社会保険の加入義務
個人事業主の場合は5人以上従業員を雇用すると社会保険の加入義務となりますが、法人は社長ひとりであっても社会保険の加入が義務となります。
その分、保険の半分を会社が負担しなければなりません。
まとめ
法人成りのメリットとデメリットをご案内しました。
法人成りは、設立費用の負担や手続きなどのデメリットよりも。社会的な信用を得ることができたり、雇用を増やし、事業の拡大を目指したりとメリットの方が大きいと思われます。
しかしながら、個人事業主の方は個々の状況にもよりますし、メリットデメリットをよく考え、どのタイミングで法人成りをした方が良いか検討しましょう。
ご自身で判断ができない場合は、税理士へご相談をおすすめします。
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