さいたま市浦和の会計事務所。中小企業の経営パートナー、税理士法人新日本経営です。
固定資産を取得すると、決められた法定耐用年数で減価償却をして費用とします。
税法上「減価償却資産」と言いますが、取得価額の低い資産は数年かけて減価償却するのではなく、一度の償却をして良いという規定があります。
今回は30万円未満の少額減価償却資産を取得した際の取扱いについて確認していきましょう。
少額減価償却資産の特例とは
中小企業者等が取得価額30万円未満の資産を購入した際、一定の要件のもと取得価額に相当する金額を損金に算入できる制度が「少額減価償却資産の特例」です。
参考:国税庁「NO.5408:中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」
取得価額30万円未満の減価償却資産であれば、その期で費用・損金となるため節税効果があることがメリットです。
通常の減価償却では法定耐用年数にわたって費用・損金とするため、全額が損金となるまでに時間を要します。
少額減価償却資産の特例は30万円未満の減価償却資産に適用されますが、別途10万円未満の減価償却資産も全額損金に算入できる特例があります。
また、20万円未満の減価償却資産は3年で均等償却できる「一括償却資産」もあります。
少額減価償却資産の特例適用要件を確認
少額減価償却資産の特例は中小企業等を対象としている特例ですが具体的な要件を確認しましょう。
対象となる企業
次の要件を満たす特定の中小企業者に限定
〇青色申告法人
〇常時使用する従業員数が500人以下
〇資本金が1億円以下
対象資産
取得価額が30万円未満の減価償却資産。
ただし、貸付の用に供した資産は対象外となります。また、その事業年度における少額減価償却資産の合計額は300万円が限度です。
必要な手続き
確定申告の際に「少額減価償却の取得価額に関する明細書」を添付して申告をします。
消費税の会計処理における注意点
消費税の会計処理が税抜経理方式か税込経理方式の違いで取得価額の判定影響があります。
税抜290,000円の資産を購入した場合を例に挙げましょう。
税込価格は319,000円となります。(消費税10%)
<税抜経理方式>の場合は、取得価額は税抜の価額です。
取得価額は290,000円で30万円未満のため、少額減価償却資産の特例を適用することできます。
<税込経理方式>の場合は、税込の価額が取得価額になりますので、今回は30万円以上となります。
特例の適用ができませんので、法定耐用年数にわたって減価償却をします。
まとめ
減価償却は法定耐用年数をもとに費用化するだけでなく、一括で減価償却できたり、少額なら即時償却が可能な特例があります。
その中も少額減価償却資産の特例は30万円未満の償却資産が対象となりますので、中小企業にとっては大きな節税となります。
ただし、節税にとらわれて資金繰りの悪化や事業の継続に影響を与えることのないよう計画的に購入を考えましょう。
もし、購入を迷っている場合は顧問税理士などに相談することをおすすめします。
法人の税務申告・決算だけでなく、ちょっとした税金の相談など不安な事は顧問税理士に相談しましょう。これを機会に税理士にご相談を!
お問合せはこちら→【無料相談お申込フォーム】
フリーダイヤル:0120-814-350(繋がらない場合は 048-814-2030 にお電話ください)
受付:9:00~18:00(平日)