さいたま市浦和の会計事務所、中小企業の経営パートナー「税理士法人新日本経営」です。
最近、地震や豪雨など自然災害のニュースをよく耳にします。
被災地においては自衛隊の救助や援助のほかにも全国からのボランティアの方も大勢います。
もし、自社の従業員さんが被災地に出向いてボランティア活動する場合、それに係る旅費や宿泊費について会社として対応はできるのでしょうか。また、どのような取り扱いになるでしょうか。確認しましょう。
企業は従業員の社会貢献活動を後押し
昨今は、災害時のボランティア活動を企業の社会的責任(CSR/Corporate Social Responsibility)と捉え従業員等が積極的にボランティア活動することを後押しする企業が多くなってきています。
加えて企業側としては、被災地でボランティア活動する従業員等に対して、一定の旅費や宿泊費、日当等を会社が負担するケースがあります。そのほかにも、就業規則によりボランティア休暇制度を定め、従業員等による休日のボランティア活動を有給扱いとするケースもあるようです。
では、従業員等が被災地でボランティア活動した際に係る旅費や宿泊費について会社はどのような対応をすれば良いのでしょうか。
職務遂行上の旅行で通常必要と認められる範囲の支出かどうか
所得税法上、従業員等が勤務する場所を離れて職務遂行のための旅行、つまり出張をした場合に、その出張に必要な金品で業務に必要であると認められるものは非課税となります。
身近な例に置き換えると、従業員Tさんが出張に行き「交通費、宿泊費合計で15,000円でした」と会社に報告した場合、会社はTさんに対し15,000円を支給し、この15,000円に対しては非課税という扱いになります。
その上で、ボランティア活動に係る支給額については、
①その会社の役員及び従業員のすべてを通じて適正なバランスが保たれている基準によって計算されたものであるかどうか
そして、
②同業種、同規模の他の会社が一般的に支給している金額と比較して相当か
こちらの2点を勘案する必要があります。
会社負担は合理的な基準が必要
つまり、従業員等の被災地でのボランティア活動に対し、旅費や宿泊費等を会社が負担する場合であれば、その旅費等の支給が職務遂行のための支出であって、その対象者や支給額が社内規程等に基づき合理的に運用されている必要がある、ということです。
会社が社内規程等に基づき、対象の範囲や支給額の上限を定めていた場合であっても、業務関連性が認められない、また、業務関連性が認められていたとしても一部の従業員等のみを対象にするなど、適正なバランスが保たれずに合理性を欠く運用がなされていれば、従業員等に対する旅費等は給与課税の対象となる可能性があります。
まとめ
従業員等が被災地でボランティア活動をした場合に旅費や宿泊費についての取り扱いについて解説しました。
会社が従業員に相当額を支給するのであれば、会社内で適正な基準によって計算されたものであるか、同業種、同規模の他の会社が一般的に支給している金額と比較して相当かを勘案する必要があります。
一方で、その旅費や宿泊費等を会社が負担する場合であれば、その旅費等の支給が職務遂行のための支出であってその対象者や支給額が社内規程等に基づき合理的に運用されている必要があります。
業務関連性が認められない、業務関連性が認められるが特定の従業員等にのみに支給されるなど合理性に欠く運用がなされていれば、その支給は給与課税の対象となる可能性があるので、ご注意ください。
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