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休眠会社とみなされるとどうなる?法人の申告と青色承認取消の話

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さいたま市浦和の会計事務所、中小企業の経営パートナー「税理士法人新日本経営」です。

最後の登記から一定期間登記がないと「休眠会社」としてみなし解散されることがあります。

実はその後、法人税の申告や青色申告に影響が出るケースがあります。休眠会社の申告について注意点の解説と、青色申告の取消理由について解説します。

 

「休眠会社」のみなし解散とは

法務省では、長い間登記がされていない法人を対象に、毎年「休眠会社等の整理作業」を行っています。

これは、事業をやめていない旨の届出もなく、一定期間登記もされていない場合に、その法人が「解散したもの」とみなされ、自動的に解散登記がされるという制度です。

 

以下の法人が対象です。

・最後の登記から12年経過している株式会社
・最後の登記から5年経過している一般社団法人、一般財団法人

該当する法人は、所定の期日までに届け出を行う必要があります。

 

みなし解散後は「申告義務」が発生

税務上は、このみなし解散の日が「法人の解散日」として扱われ、そこから2か月以内に法人税の申告書を提出する必要があります。

これを忘れてしまうと、青色申告の承認が取り消される可能性があります。

法人税法では、期限内に申告しなかったことが、青色申告の承認取り消しの理由になると定められているからです(法人税法127条)。

 

ただし、実際に承認が取り消されるかどうかは、税務署の判断による部分もあります。

過去の運用では、「2年連続で期限内に申告をしていない法人」については、2年目以降の年度で青色申告が取り消されるという、形式的な取り扱いが原則となっています。

 

例外的な取り扱いもある

一方で、例外として以下のような事情が認められれば、取り消されないケースもあります。

・解散登記がされたことを知らなかった事情にやむを得ない理由がある
・今後はしっかりと帳簿をつけ、適切に申告する体制が整っている
・再発防止策が講じられている

税務署がこれらを総合的に判断して、個別の事情に応じた対応をしてくれることもあります。

 

青色申告が取り消される「ほかの理由」も知っておきたい

今回ご紹介した「期限内に申告しなかった場合」以外にも、法人税法では青色申告の承認が取り消される理由がいくつか定められています。代表的なものは以下の3つです。

帳簿を正しくつけていない、保存していない

帳簿の作成や保管については、財務省令で細かいルールが決められており、これに従っていない場合は、青色申告の承認取消しの対象になります。

最近では電子帳簿保存法の対象となる法人も多く、電子で保存する場合も要件を満たしていないと、同じように取消事由になります。

税務署長からの帳簿に関する「指示」に従わない

帳簿の内容などに問題がある場合、税務署から「帳簿をこう保管してください」「記帳の方法をこう改善してください」などの簡単な指示が出されることがあります。

このような指示に従わなかった場合も、青色申告の承認を取り消される可能性があります。

帳簿に隠し事やごまかしがある、または信頼できないと判断された場合

帳簿の記録に取引の隠蔽や仮装があったり、そこまでではなくても内容全体にミスや不備が多くて「信頼できない」と判断された場合も、取消しの対象になります。

たとえば、わざとでなくても、帳簿のつけ方がずさんで税務署に不信感を与えた場合には、「真実性に欠ける」とされる可能性があります。

参考:法人の青色申告の承認の取消しについて|国税庁

このように、帳簿のつけ方・保存の仕方・税務署の指示への対応など、形式面の不備も青色申告に影響してきます。

 

まとめ ~解散登記と税務の落とし穴に注意を~

登記が長期間されていない法人は、自覚がないまま「休眠会社」としてみなし解散されてしまうことがあります。

そして、その後の法人税申告を忘れてしまうと、青色申告の承認取消しという思わぬ影響が出ることもあります。

今回ご紹介したとおり、期限内に申告しなかった場合だけでなく、帳簿の不備や税務署からの指示に従わなかった場合なども取消しの対象です。

青色申告は、法人税の軽減や欠損金の繰越など多くのメリットがあります。取消しになると、これらの恩恵が受けられなくなるため、経営にも影響を与えかねません。

自社の登記時期や必要性、帳簿や申告の体制に不備がないかを、今一度確認しておくことをおすすめします。

 

 

 

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