さいたま市浦和の会計事務所、税理士法人新日本経営です。
住宅ローンを組んでマイホームを建てたときは、住宅ローン控除の制度を利用すると所得税や住民税が控除され、節税効果があります。
ただし、住宅ローンを組むだけでは制度の適用はなく、必要な要件を満たすことや初年度は確定申告、2年目以降は年末調整で手続きをおこなうことが必要です。
住宅ローン控除について解説します。
住宅ローン控除とは
住宅ローン控除とは一定の適用要件を満たし、自分で住む家を購入やリフォームする際に住宅ローンを組んだ方が利用できる制度で、所得税の控除を受けることができます。
正式には「住宅借入金等特別控除」といいます。住宅ローン減税と呼ばれることもあります。
住宅ローン控除を適用する場合、適用初年度は確定申告をする必要がありますが、2年目以降は年末調整により控除を受けることができます。
ですから、令和4年中に入居した方は令和5年分から初めて年末調整で住宅ローン控除を適用できることになります。
住宅ローン控除の控除率「1%」と「0.7%」
住宅ローン控除の控除率は現在0.7%です。
しかし、令和4年中に入居した場合でも令和5年分の控除率について1%と0.7%のケースが存在します。
それは、令和3年度税制改正で手当てされた「特別特例取得」に該当した場合に1%の控除率が適用になるからです。
「特別特例取得」とは以下の条件です。
・個人の住宅の取得等をした家屋の対価の額又は費用の額に含まれる消費税率10%
・新築(注文)住宅の場合は令和2年10月から令和3年年9月末までに契約を締結
・分譲住宅、中古住宅などの場合は令和2年12月から令和3年11月末までに売買契約を締結
参考:国税庁「No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)」
一方、令和4年度改正では0.7%に控除率が引き下げられたほか、住宅の省エネ性能に応じて「ZEH水準省エネ住宅」や「省エネ基準適合住宅」の新区分が設けられ、借入限度額等が見直されました。
新築/既存等 | 住宅の環境性能等 | 令和4・5年入居 借入限度額 |
令和6・7年入居 借入限度額 |
控除期間 |
新築住宅 買取再販 |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 | 13年間 |
ZEH水準省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 | ||
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 | ||
その他の省エネ基準を満たさない住宅 | 3,000万円 | 0円 | ||
既存住宅 | 長期優良住宅・低炭素住宅 ZEH水準省エネ住宅 省エネ基準適合住宅 |
3,000万円 | 10年間 | |
その他の住宅 | 2,000万円 |
参考:国土交通省「住宅ローン減税の概要について(令和4年度税制改正後)」
令和6年・7年入居は住宅が省エネ基準に適合しているか注意
ここで令和6年以降に入居を検討している場合の注意点をお伝えします。
令和6年・7年に新築住宅に入居する場合、新築住宅は省エネ基準に適合していないと住宅ローン控除を受けることができません。
ただし、省エネ基準に適合しない住宅であっても、次のいずれかの書類があれば住宅ローン控除を受けることができます。
①令和5年12月31日以前に建築確認を受けたことを証する確認済証又は検査済証の写し
②令和6年年6月30日以前に建築されたことを証する登記事項証明書
この場合、適用される借入限度額は2,000万円、控除期間は10年となりますので注意が必要です。
参考:国土交通省「住宅ローン減税」
年末調整で住宅ローン控除を受けるには
では、年末調整で住宅ローン控除を受けるための書類など確認しましょう。
まず、年末調整で住宅ローン控除を受けるには前年に初回の確定申告をしていて、給与所得以外に収入のない会社員などが受けられます。
個人事業主や年収2,000万円以上の会社員などが適用を受けるには2年目以降も確定申告が必要になります。
2年目の年末調整で住宅ローン控除を適用する場合は次の書類を準備します。
① 税務署から交付される住宅ローン控除証明書兼申告書
② 金融機関等から交付される住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
税務署からの控除証明書兼申告書は紙で郵送されるか、e-Taxからデータ取得が可能です。
金融機関から交付される年末残高等証明書は金融機関によって名称が異なることもあります。
また、令和4年度改正では金融機関の対応を前提に添付を不要とする見直しも行われましたが、適用は令和5年以降に入居し、令和6年1月以後におこなう確定申告や年末調整が対象となります。
令和5年の年末調整では、添付が必要となりますのでご注意ください。
まとめ
住宅ローン控除は令和4年中に入居した場合、契約の締結時期などによって控除率が異なります。特例に該当しない場合は0.7%の控除率となります。
2年目以降は年末調整で制度が適用されますので、送付された住宅ローン控除証明書兼申告書と金融機関からの年末残高等証明書をお勤め先に提出するのを忘れないようにしましょう。
初年度は確定申告が必要になりますので、ご自身で手続き等が不安であれば税理士への依頼も検討してください。
2年目以降の年末調整も企業の総務の方でお困りの方は税理士へ相談をしてみましょう。
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