さいたま市浦和の会計事務所。中小企業の経営パートナー「税理士法人新日本経営」です。
御社には従業員はいますか?もしくは、外注への依頼はありますか?
雇用された従業員と外注は契約が違いますので、税務上の取扱いも違いますし、ひとつ間違えると税務調査において指摘を受けることもあります。
それぞれの契約と留意点について解説します。
外注と雇用の違いは契約形態
外注と雇用は契約形態が異なります。それぞれ確認しましょう。
従業員は雇用契約
雇い主である会社とそこで働く従業員とで交わす契約が雇用契約です。
役務の提供の対価として支払われる報酬が給与として取り扱われ、給与所得として所得税が計算されます。
また、会社側で勤務時間や場所、休暇などの労働条件の指定や管理が行われます。
外注は請負契約
委託者である会社と個人事業主の間で交わす契約が請負契約です。
役務の提供の対価として金銭を支払いますが、業務を代行したという結果に対して報酬を支払い、委託者は外注費として取り扱います。
請負業者は事業所得として所得税を計算します。
また、報酬は話し合いの上で自由に取り決めることができ、雇用契約のような縛りがないのでいつでも契約を解除することが可能です。
税務上の注意点
外注費と給与の税務上の注意点についても確認しましょう。
消費税
外注費は課税対象取引となり、仕入税額控除ができます。給与は不課税取引となりますので、仕入税額控除ができません。
注意:2023年10月1日より導入されるインボイス制度下においては適格請求書発行事業者からのインボイスでなければ、仕入税額控除はできません。
委託者と請負業者はよく相談をして、適格請求書発行事業者に登録するか判断する必要がありますので注意が必要です。
所得税
従業員が給与支給を受けた場合、源泉所得税が徴収されます。そして、年末調整において支払者が還付や不足額の徴収をおこない、精算をします。
外注費の場合は、所得税法の規定に該当すれば源泉所得税の徴収が必要ですが、それ以外は徴収不要です。そして、毎年3月15日までにご自身で確定申告をおこないます。
社会保険
従業員給与は社会保険の対象となります。雇用主の会社と従業員それぞれが社会保険料を負担します。
外注費は、請負業者は被保険者にはなりませんので、社会保険への加入はありません。
税務調査で指摘される事項
外注と雇用の違いを確認していくと、雇用契約の方が会社の出費が多く感じられ、外注の方がお得なのではないかと思われるかもしれません。
しかし、コストがかからないから安易に外注として契約をすると、後の税務調査で指摘される可能性があります。
そうならないよう以下の事項で判断しておきましょう。
〇他人が代替できるか
→その請負業者以外の他人が代わって仕事ができるかどうか。
従業員でも対応できる場合は、外注として認められないかもしれません。
〇作業時間・場所の拘束を受けるか
→外注であっても従業員と同じ条件であれば、従業員とみなされる可能性があります。
〇管理者の指示・命令を受けるか
→作業内容の指示監督がある場合は従業員、仕事の諾否は自由である場合は外注となります
〇報酬の請求をする基準はどこか
→外注の場合は完成品の対価として報酬が支払われます。完了していなくても部分的に報酬は発生していたりすると従業員とみられるかもしれません。
〇材料や用具等、業務関連物品の提供はあるか
→仕事に必要な器具や材料、用具は誰の所有物であるかが問われます。会社から支給されている場合は従業員となりますので、同じ待遇を受けている場合は外注と認められないかもしれません。
税務調査で外注費が否認されると受けるペナルティ
外注費が認められない=給与認定となった場合は、追徴課税が発生します。
例えば、
・源泉徴収漏れの指摘
・仕入税額控除が否認
・社会保険の未加入未払の指摘
・延滞課税や過少申告加算税がかかる
こういったペナルティを受けることになり、会社にとって良いことはありません。
このようなことにならないよう、きちんと従業員と外注の違いを明確にしておくことが大切です。
まとめ
雇用された従業員と請負契約の外注との違いについて解説しました。
従業員は会社負担となる部分もあるため、金銭的な負担の少ない外注と仕事をした方が良いと考えるかもしれませんが、従業員と外注の違いをはっきりさせておかないと、税務調査の際に否認されかねません。
もし、これからの事業で外注を検討している方や、現状外注への依頼に不安や迷いがある方は税理士など専門家へご相談ください。
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